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TVCM 〜サントリー「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」

上を向いて歩こう


サントリーの復興支援CM。
71人もの著名人による「希望の歌のバトンリレー」がとてもいい。
商品名が出てこないばかりか、説明やメッセージといった類も表示しない。
世界に誇れる坂本九さんの代表曲「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」を、各々がヘッドフォンをつけ、ただまっすぐにマイクに向かって歌っているだけなのだが、飾りっけがないだけに、胸に響く。

「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」の動画一覧(サントリー)


陣容は豪華だ。
『上を向いて歩こうA』篇だけでも、
和田アキ子さん/近藤真彦さん/竹内結子さん/富司純子さん/檀れいさん
本木雅弘さん/小栗旬さん/ベッキーさん/堺正章さん/宮沢りえさん
岡田将生さん/松田聖子さん
これだけの顔ぶれが揃って参加されていて、しかも皆ボランティアだという。

普段、歌を披露することがない方もいるし、歌うのが苦手な人もいるのだろうが、
皆一生懸命に歌い、そして凛とした想いが届けられたらと祈っているようにも見える。

その姿がとても清々しく、しかも余計な言葉がない。皆の想いと高いクオリティ。
胸を打つのは、決して今までのCM自粛からの反動ではない。


あれからずっと思っていたことだが、「頑張れ」なんて言うのは簡単だ。
けれど、その言葉にはまったく責任がないし、共有されるべき想いもない。
それらはすべて「対岸の火事」に対する気持ちばかりの見舞いでしかない。

言葉は時に暴力的であり、時に絶望的だ。
たやすく「頑張れ」なんて、私は言わない。
こんなブログで何かを書いたところで、そんなこと被災地の人にとってみれば、
生き抜き、生活すること以外のどうでもいいことばかりの中の一つなのだから。


被害者でもなく、生活出来ている私たちが、感傷的になるためにある評価や感想は、
どうだっていいし、そんなことがいくら盛り上がっても、別に何にもならない。

ただ、このCMが被害に合われたたった一人の人にでも、
一時の安らぎになるのなら、それだけが本当に救いだということだけだ。


Review * 12:12 * comments(45) * trackbacks(0)

放送延期!>吉川晃司 ライオンキング生活<プレ

先のエントリーで告知した「吉川晃司・ライオンキング生活」ですが、
残念ながら放送延期になったようです。

う〜む、放送される日を楽しみに待ちます。

Review * 13:50 * comments(48) * trackbacks(0)

吉川晃司 ライオンキング生活<プレ

10月1日 TBS系列放送の「中居正広の金曜日のスマたちへ」の中で、
緊急レポート!! 〜吉川晃司・ライオンキング生活〜(仮)が放映されます。

前回の無人島生活もなかなか楽しませてくれたけれど、
今回はアフリカでのサバイバル生活? なんとも破天荒な人です。(笑)
参考エントリー:【吉川晃司の無人島生活#1】【吉川晃司の無人島生活#2


10月1日(金) 21:00〜
TBS系列 全国28局ネット
「中居正広の金曜日のスマたちへ」スペシャル
緊急レポート!! 〜吉川晃司・ライオンキング生活〜(仮)

お見逃しなく!

Review * 08:34 * comments(15) * trackbacks(0)

TVCM 〜資生堂「IN&ON」

資生堂「IN&ON」『よみがえれ、私。』篇

石川秀美さん、伊藤つかささん、荻野目洋子さん、河合その子さんの4名が往年の笑顔で出迎えてくれる、最近お気に入りのCM。

何より、斉藤和義さんの「ずっと好きだった」がキャッチーで、ご機嫌だ。

  ずっと好きだったんだぜ  相変わらず綺麗だな


同窓会をテーマに、再会した初恋の人にむけたような内容だそうで、さすが今回のCMのために書き下ろされただけに、美しい40代に「よみがえる、私。」にマッチしている。

最近、斉藤和義さんキテるなぁ。
『歩いて帰ろう』とか大好きで、最近彼の曲をすごく聴いていたので、このCMが耳に入ると、見入ってしまう。

それにしても、薬丸(石川)秀美さん綺麗だなぁ。


資生堂「IN & ON」



Review * 07:22 * comments(13) * trackbacks(0)

[BOOK] 100かいだてのいえ

100かいだてのいえ

『100かいだてのいえ』。
10階ごとに異なる動物の住みかになっている、100階だての家の中を「トチくん」という男の子が登っていく。
動物に合わせた生活空間があり、動物たちが色々な作業をしていたり、遊んでいたりして、「トチくん」とのやり取りが、鮮やかなのにやさしい色づかいで描かれている。

「次の階には誰がいるでしょう?」
などと言いながら子供と対話する楽しさや、描かれた小道具や動物たちのデフォルメされた生活様式などに、毎回発見がある。

これ、とても人気になって、続編として『ちか100かいだてのいえ』が刊行された。
しかもオンラインで予約ができた。それほど、待ちわびていた人がいたらしい。
絵本で予約なんて、、と思ったけれど、どうしてもその日に手に入れたい! のと同時に、いつ出るのかはっきりしなかっただけに、気に入ったものを忘れずに購入する、というニーズがあったのだろう。

購入に際して、レビューが参考にされて、人気が人気を呼ぶ、といったネット上での人気の連鎖というものが、こうした絵本などの分野にもおよぶんだなぁと。

『100かいだてのいえ』『ちか100かいだてのいえ』もセットでお薦めなんだけど、難点は、この世界観を得るために、絵本を縦に開かなくてはならないところ。w


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100かいだてのいえ

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Review * 17:01 * comments(29) * trackbacks(0)

[BOOK] ぜったいたべないからね

ぜったいたべないからね
お気に入りの絵本のはなし。

きっかけは、実家で観た「チャーリーとローラ」のアニメ「私 ぜったいに太陽になる」。
ローラの唯我独尊っぷりをチャーリーが上手におちゃめにたしなめていく感じが、何とも絶妙なのだ。

DVDがでてるはず! と思って探した際に、絵本を見つけたので買ってみた。と言っても、かなり前だけど。w(購入は1月)
絵のタッチは大雑把に見えるようで、無邪気な子供っぽさよく表現しているし、全体はコラージュをつかった独特の世界感があって、ページをめくるのが楽しくなる。

けど、この絵本がとても人気で、ほとんど在庫がない。
シリーズで3冊出ているのだが、特に「ぜったいたべないからね」が面白くて、人気が高い。
今でもアマゾンでは在庫がなくて、中古が4,960円から! とプレミアム価格。。
色々と探して、なんとか3冊手に入れた。


うちの娘はローラと違い、“まんげつぶちゅっと”が大好き。
だから、「好き嫌いをしちゃいけないよね」とお姉さんぶってる。
けれど、このネーミングの妙は子供ながらの発想でとってもユニーク! で、娘もお気に入り。

「寝ない」「食べない」「行かない」はちょうど学校や幼稚園へ行く前の子供には最適なお話しで、こうした悩みは世界共通なのだろうなと思ってみたり。

とってもお薦めです。

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ぜったいねないからね

ぜったいたべないからね

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P.S
現時点(2010/3/25)で楽天ブックスでは在庫がある(残り1冊!)模様。
はぁ、今なら結構楽に手にできたのか…。


Review * 17:11 * comments(17) * trackbacks(0)

吉川晃司の無人島生活#2

前エントリー【吉川晃司の無人島生活#1】に続いて、個人的な感想を。

たまたま見ていて、番組のプログラム紹介がなされて、目を見張ってしまった。
「おぉ、晃司さんが出るのか。は? 無人島? なんでだ? ほんとか?」

最初は訳が分からず、呆然と見ていたものの本人のコメントが始まり、どうやら本当らしいと思い、見続けることに。

向かう先の無人島は、かなり危険なところらしい。通称「悪魔の島」だと紹介される。

ジャケットにサングラス。無人島で生活するようには見えない。(笑)
ちょっw なんで? 牛! いかにもお茶目な晃司さんらしい。

とはいえ、最初は結構軽く考えて見ていた。
危険って言ったって、スタッフはいるでしょ。水や食料も最低限はあるだろうし。
ヤラセじゃないけど、それなりの用意や準備がある中でやるんだろうから。
んで、2〜3日で帰ってくるんだったら、そんな危険とか煽るのもどうかな?
くらいに。。

さすがに3日じゃ帰らなかった。
そうしているうちに、ぐぐっと引き込まれてしまった。
もう、テレビのプログラムであること云々は軽々と越えてしまったから。

何より、道具が用意されているとはいえ、じゃぁ自分でこの環境の中でやれるのか? と考えたとき、「無理」だろうと思えたからだ。

自身を追い込むというとき、彼のストイックさは半端じゃないことがある。
何もそこまで、、と今回の企画についても思わずにはいられなかった。

「嘘はつけない」と言って、夜はスタッフに引き取ってもらっていた。
仮に近く(例えば海)にスタッフが待機していたとしても、あの環境で寝られるだろうか?

ボーイスカウトで学んだということだったが、ロープの結び方一つ、わたしにはできないだろう。

仮に、非常食が用意されていたとしても、生きるために水を食料をどのように確保しようかと、あそこまで奔走し、実行する行動力があるだろうか。

泳ぎには自信がある吉川氏。魚もさばけるし、魚介類には多少の知識がある吉川氏。
だからこそ、ああした状況下で対処できるのだろうと、その凄さを痛感する。

10日間、あの状況にいた。
それは紛れもない事実なのだ。
台風がきて、すさまじい風雨にさらされる中で、耐え抜くことが本当にできるだろうか?

それこそが、先の疑惑に対して、最も有効な答えであると思える。
10日間、例えすべからくスタッフが手を差し伸べ、緊急の用意があったにしても、それほど予定調和に、そして容易に生活できるとは思えない。
割と強靭な人であっても、体力を確保したうえで、未知となる極限状態にさらされた時の自身の精神状態を、コントロール下で保っていられるものではないはずだ。

そもそもそれを考えたとき、吉川晃司という人が行っていた意味が、視聴者に対してではなく、彼自身についてはあったのだろうと思える。


先に、晃司さんの発想や行動を聞かされるとき、「何で、今のあなたがそんなことをやるんですか?」と一瞬でも思ってしまい、驚かされると書いた。

それは、わたし自身の行動を振り返ることにつながる。
わたしは何をやっているのだろうか? 本当にそれでいいのだろうか?

ぬくぬくと安牌だけを切っているのではないか? そう歯噛みする思いがして、驚いているというのは、少しの嫉妬やジレンマを含んでいるのだと思う。

例えば仕事上の立場や何かだけを考えた場合、彼よりも失うものは少ないはずだ。
しかも、何か(彼の場合楽曲)を生み続けなくてはならない状況下よりも、わたしの苦労は幾ばくもないと思える。

そうした中で、わたしは自身を研鑽するための努力をどのくらいしているだろうか。
そう思わずにはいられないような、人としての根源的な部分でアプローチする晃司さんの向上心には、焦りや敬意や貧相な発想やその他多くの心情をないまぜにされ、ただただ「己の小ささ」を思い知らされる。

今回は彼をして、「己の小ささ」を思い知るために立ち向かうというのだから、その距離は遠く離れるばかり。

大胆ではあったし、テレビのプログラムとなるのだから、先の疑惑のような様々な見られ方をすることを、彼はよく理解しているだろう。

それにさらされることを承知した上で、こうした挑戦をした、ということが、『吉川晃司』なのだろうとひとりごちるほかない。


P.S
僕から色々と聞かされている妻も、今回はさすがに「吉川晃司って何者?」と驚愕しておりました。(笑)


Review * 14:58 * comments(20) * trackbacks(0)

吉川晃司の無人島生活#1

「中居正広の金曜日のスマたちへ」の中で放映された、吉川晃司さんの無人島生活。
出演するテレビ番組を把握しているわけではないのだけれど、ラッキーなことに彼の出演番組との遭遇率が高くて、運の良さを感じる。(大げさw)

番組の内容が「あれ」だっただけに賛否あるだろうなと思い、昨日はネットでの評価を検索してみた。
普段より検索結果が多かったことに驚いた。
あの内容で、何の評判もないようなら「ちょっとなぁ」と思っていたので、これはひとえに嬉しいこと。

大多数は、その内容にも好意的だったようだ。
もちろん人気のある番組だけに、多くの視聴者が閲覧し色々な状況で情報を得るときにおこる、「あなたとは違う意見」も多い。
まずはそっちについて、考えてみた。

多いのは、
・落ち目? 金欠? 何のプロモーション?
・っつーか、パクリでしょ
・ちょw ヤラセ乙
・ヤク抜き&逃亡にケテーイ
くらいに大別できる。

いずれも順当(?)な批判&悪口だ。

一つめ。「吉川晃司」がこの企画に挑む意味が分からない。
それが彼を注視していない人が“普通”に得られる感想だ。

二つめ。「黄金伝説」や「他でもやってる○○」のパクリ。
ま、これは番組のプログラムとしてみれば、“Yes”なのかもしれない。

三つめ。「だってスタッフはいるじゃん」とか「シャコガイ並んで二つw」とか。
こういった趣旨の企画は、テレビとして成立させる限り、何をしても言われる。

四つめ。「押尾、酒井。友達である尾崎、岡村。次は…」的な。
これは単なる推測でしかないわけだけれど、結び付けられるネタがあるってだけで、どうしようもない。


勿論、本人にしか分からないこともあるのだから、うかつなことは言えないものの、彼を少なからず知っているので、感想の前にわたしの立ち位置をはっきりさせておく。

一つめ。
吉川晃司さんはこういう人だ。(笑)
25周年という区切りの年であることはあるだろう。だからこそ、こうした企画を番組として作れる材料であることは間違いはないはずだ。

しかし、時に彼の行動は普段から予想の範囲を超えることも少なくない。
そしてそれは、ストイックに自身を追い込むことや向上させることに向かう傾向がある。
わたしも何度か「そんなことやってるんですか?」と驚かされることがある。


二つめ。
番組プログラムとして、パクリなのかどうかは、制作サイドの話。
彼自身が本質的に求めていたのは、自身を向上させるためにある“自然と対峙する極限の状況”であって、それがパクリだとか、テレビのプログラムとして成立するか、はほとんど二の次だろうと思う。

そして、一つめの疑問の答えにもなるが、「彼がこの企画に挑むメリットが分からない」「若手芸人がやる企画だ」といった意見は、テレビのプログラムとして成立するためにあることであって、彼自身の挑戦であるという側面で考えると、ほとんど意味をなさない。

だったら、「別に撮影しなくてもいいだろ?」 というのは真っ当な意見だけれど、テレビプログラムとして成立する「面白さ」を制作サイドが見出して、この企画を行っているため、この部分は議論するにしても平行線をたどってしまいがち。


三つめ。
ヤラセと演出と脚色。いったいどう違い、何は良くて、何が悪いのか。
この辺は微妙だし、ドキュメンタリー風に「生死をかけて過酷な状況に挑む」的フレーズなこういうプログラムでは、必ず出てくる疑惑。

視聴者は、こうした内容のとき、“完全”を求めてしまう。
「本当に何もないんだろうな? え?」と。

しかし、とりあえずの飲み水は与えられたし、いくつかの道具もある。
当然だろう。テレビのプログラムで、本当の生死をかけさせられるわけがない。
ましてや、何度も言うが吉川晃司さん本人が考える「自身を追い込む修練」なのであって、つまり、それは最低限の保障はあるという状態の中での話だ。


四つめ。
これは根も葉もない。
いや、強引に結び付けられるネタがあるので、根も葉もないとは言えないが、吉川晃司さんの人となりを知っていれば、「ない」と断言できる。


前置きが長くなったが、以上のような立ち位置を踏まえて、
「吉川晃司さんの無人島生活」について、感想を書いてみたいと思う。


〜つづく。
吉川晃司の無人島生活#2


Review * 13:20 * comments(19) * trackbacks(0)

佐野元春の「ザ・ソングライターズ」

最近、土曜日は佐野元春の「ザ・ソングライターズ」を観るのを楽しみにしている。

佐野元春さんがホストを務め、日本の名だたるソングライターを招いて「歌詞」について、学生たちと考えていく。

さながら、「アクターズ・スタジオ・インタビュー」のような形。(この番組も大好き)
というか、完全にモチーフにしているのだろうと思う。

それにしても、ゲストが多彩かつ、興味深い人や話が多くて、ついつい引き込まれる。
意外なエピソードが披露されたり、学生を相手に結構屈託なく話される内容は、創作活動のかなりコアなところの一端を垣間見せることがあり、学生もきらきらと輝く瞳で真剣に聞き入っている。

また、ゲスト紹介の後にある「ポエトリー・リーディング」は必見。
ゲストの楽曲を一つ選び、佐野さんがリーディングのスタイルで、披露する。

ビートと合わさって記憶に残っている楽曲(歌詞)が、リーディングという形で耳に入ってくると、別の意味を持ってくることや、言葉自身が持っていたパワーが、より強調されるのだということや、言葉自身がビートを紡ぎだす瞬間までを知ることができる。

歌手として、その楽曲をカバーすることもできるはずだが、「歌詞」をテーマにしている番組の特長を生かしつつ、昔からリーディングのスタイルで、ライブを行っていたりする佐野元春さんだからこその表現方法と言えるかもしれない。

12回と決まっているので、あと5回ほどしかないのが残念だけれど、最後まで楽しみだ。


THE SONGWRITERS 佐野元春のザ・ソングライターズ



Review * 20:25 * comments(39) * trackbacks(0)

[BOOK]半落ち

現職の警察官がアルツハイマー病を患っていた妻を殺害する。
3日後自首し、容疑を全面的に認めたものの、殺害後自首するまでの2日間の行動については、頑なに何も語らない。いわゆる「半落ち」。
「半落ち」とは、容疑への自白が完全ではない状態を言う。聞きなれない警察用語だ。

容疑者 梶聡一郎は、なぜこの2日間のことを語らないのか。
調査で浮上した“新宿 歌舞伎町に行っていた”とされる点。
スキャンダラスな街の名前に透けて見えるその謎を解き明かそうと、警察官、検察官、新聞記者、弁護士がそれぞれの立場で、奔走する。

そして、“新宿 歌舞伎町”は伏せられ、“死に場所を求めて県内を彷徨っていた”とねつ造された調書を抱えたまま、裁判が開始される――。


上記に加え、裁判官の思い、そして服役することとなった刑務所の刑務官の思い。
そうした中で、梶聡一郎があと一年生きなければならなかった理由と、空白の2日間の行動が明かされる。


実刑の受刑者は、ドナーとして骨髄提供が可能か? に疑問が残る* ものの、“空白の2日間”そして“新宿 歌舞伎町”というキーワードだけで、これだけの組織の問題点を指弾し、かつ様々な観点から謎解明に動くキャラクターへの多彩な色づけが行えるのは、横山秀夫氏のなせる技だろう。

謎を軸にミステリーとして読ませるものの、そこにあるのは、繊細なる人間的悲哀。
「人間五十年」に込められた想いと比し、語り手となる登場人物たちは自分の人生を振り返り、「なんのために生きているのか? なぜ生きていかなくてはならないのか?」を自問する。


「命をありがとう」。
最後には、謎が解明されるかどうかが大事ではなくなっている自分に気がつく。


*このエントリーを書きながら調べてみたら、直木賞を受賞できなかった理由がここにあったようだ。(勿論、ここだけが理由ではない)
とはいえ、わたしが思うに“執行猶予を得られるかもしれない”という犯罪としてはボーダーラインにあるものだということを明示されているのだから、ここだけをあげつらって「事実誤認」だとするのは、行きすぎではないだろうか。


半落ち
横山 秀夫
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売り上げランキング: 202596
おすすめ度の平均: 4.0


P.S
年に数回「骨髄バンクへドナー登録しようか…」と思うことがあるんだよなぁ。


Review * 15:17 * comments(43) * trackbacks(0)

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