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(RED)プロジェクトと企業イメージ

(RED)Project以前、洋服を整理したとき、これを被災地などに送ったら喜ばれるだろうか? と考えたことがある。

そのとき、色々と調べてみたが、実は古着(新古品でも)などは、送られたものを整理する手間や、サイズや風習の違いなどもあり、実際に活用するには難しいことがたくさんあるので、あまり喜ばれないということを知って断念したことがある。

いくら慈善だとこちらが考えても、気持ちは嬉しいが、そうは受け取れないというケースは、往々にしてある。

かといって、現金を送るという行為自体は、少しハードルが高いし、そうした場合に少し躊躇してしまうという経験は、少なからずあるだろう。

しかし例えば、ホワイトバンドやイエローバンドみたいに、何かを購入することでその趣旨に賛同して、しかも何らかの役に立てるならいいと思うし、それがよりファッショナブルであり、しかも購入の際に手軽なら、なお良いのではないかと思う。

こういった議論のとき、手軽にとか、スタイリッシュにとか、そういう軽く受け止められる言葉は似つかわしくないと思われる向きもあるだろう。

それでも、たとえファッションの一部であったとしても、その行為に対する気持ちは同じようにあり、且つ『賛同』という意思表示として、ハードルが低いということは、とても大事なことのように感じる。

しかもそれが、日常的に行う消費行動に直結していたなら、とても素晴らしい。

アップルが発売した『iPod nano (PRODUCT)RED Special Edition』は、アフリカのHIVやマラリア患者を支援する(RED)プロジェクトの協賛製品だ。

既に、アップル以外にも、モトローラ、アメリカン・エキスプレス、GAP、アルマーニ、コンバースが協賛し、(RED)製品を発売している。

確かに、ビル・ゲイツ氏のように、今まで築いてきた財産をファンドにして、慈善活動を行うことも一つではあるけれど、企業としてこうした趣旨に賛同し、また全うな事業によって得た中から、慈善活動にお金を落とす仕組みというものも(いやらしい言い方だが)マーケティング戦略として、必要な取り組みだろうとも思う。

こうして先んじて名を連ねた会社のイメージは先鋭的であり、慈悲に満ちた企業という形でユーザの心に刻まれる可能性があるのだから。

そして、消費者としての自分を顧みて、勿論、色の好き嫌いというのはあるけれど、自分の欲求を等しく満たすモノを購入するとき、それによって自分のみならず、誰かを救えるのだとしたら、迷わず、そちらを選択できるといいなと思う。

「あなたは、(消費者としての)選択をアップグレードするだけでよい」
というメッセージのように――。


Apple Store(Japan)



(RED)



Marketing * 20:35 * comments(21) * trackbacks(1)

任天堂「Wii」がゲームの未来を変えるか

2006年9月14日に行われた「Wii」発表会のビデオストリームを見た。
任天堂 岩田社長のプレゼンテーションは、本当に素晴らしい内容だった。

見る前は、約40分という時間が長いように思っていたが、岩田さんの穏やかな語り口、しっかりとした滑舌は、飽きないし、疲れない。
加えて、論旨のしっかりとした内容のため、時間の経過よりも興味心が先にたっていて、いつの間にか全部見てしまった、となるほど。

これは任天堂や「Wii」に興味がない人も、見る価値がある。
つっかえることなく、明快な言葉で語りかける岩田さんのプレゼンテーションに、ホレボレしてしまうはず。(わたしは鳥肌がたった)


さて、肝心の「Wii」。
3つの関係を変える、という開発コンセプトに共感が持てたのと同時に、他のゲーム機とのこれらの違いは、ユーザに受け入れられる(売れる)だろうと思う。

  1. 家族とゲーム機の関係を変える
  2. テレビとゲーム機の関係を変える
  3. インターネットとテレビの関係を変える


そして、「家族の誰にも敵視されない」というメッセージも素晴らしい。
プレゼンテーションの中でも触れられているが、前機「Nintendo DS」によって、携帯ゲーム機のあり方を、ひいてはゲームの遊び方(あり方)を変えたことで、その市場全体を牽引し、縮小し始めていた市場を再度活性化させた。

そこからも伺えるように、今回のゲーム機でもグラフィックの微細さというような、益々マニアックな方向ではなく、誰もが触れられる端末としての「新しい生活」を提唱していこうとしている。

家族の間にある端末が、ゲーム機かどうかが問われない、そういう未来を予感させる。
核家族化、共働き、伝播されない子育ての知恵、遊び方の変化、隣人等との関係、その他色々な要因による家族や友人、周辺関係者とのコミュニケーションの希薄化が問題視されるようになってから、随分と経つ。

そういった状況下に、解決する適切な方法が今までほとんど存在しなかった。
そこには「エンターテイメント」による柔和な打開策があってもいいだろう。
というか、もしかしたらそのための方法として、「エンターテイメント」ほど適したジャンルはないのかもしれない。


「Wii」のコンセプトがきちんと理解され、家族の輪の中で利用されるならば、ゲーム機というジャンルを超え、コミュニケーション・ツールの一つとして重要な役割を担うかもしれない。


そしてそれは、少しだけ明るい未来に見える。


Marketing * 16:04 * comments(16) * trackbacks(3)

『涼宮ハルヒの憂鬱』人気の秘密とは#1

最近、気になっていることのひとつが、『涼宮ハルヒの憂鬱』。(※すずみやはるひ と読む)
皆さん、知っているだろうか?

元々はライトノベルで人気を博していた「不条理な学園物語」なのだが、アニメとして放映されるやインターネットを中心にその人気が爆発した。(既にアニメの放映は終わっている)

一部で大変な人気なのだが、いったいなんで人気なのかが、分からなかった。
一見したところ、萌え系アニメってだけなんじゃないの? と思ったのだが……。


最初に涼宮ハルヒを知ったのはいつか?
正確には憶えていないけれど、当ブログ右ペインにアマゾンの新しいアフィリエイトタグをつけたのと、いくつかのブログのエントリーなどにキーワードを見つけたのと前後して、何度も目に入ったころからのような気がする。

すると、ビジネス系のセミナーで、それを題材にして取り上げられたから、驚いた。
売り込み上手なことこの上ない。抜け目ないキーワード選定。
「涼宮ハルヒのWeb2.0的成功要因分析、ウルシステムズ」


で、人気の理由をグーグル先生に訊いてみる。
…が、こういうときのウェブ検索というのは、意外と役に立たない。

例えば、涼宮ハルヒが何であるか、という問いかけについては抜群の能力を発揮する。
けれど、探し得たい情報に対して、どのような文脈を要しているだろうかと想像した上で検索をするという能力、そのときの検索キーワードの選択能力のようなものがないと、『人気の理由』『○○の評判』のような情報にヒットさせることは難しい。

そんなときのために、「OKWave」とか「人力検索はてな」があるのだが…。
正直面倒なので、こんなときの頼りはヒューマン・サーチエンジン。
ってことで、ある“萌え系”の人に訊いてみた。

すると、細かい分析が伴って回答がもらえた。さすが威力絶大。

それによると…、
そもそも「涼宮ハルヒ」シリーズは、第8回スニーカー大賞 大賞受賞作を原作とする、作品すべての総称になります。※原作小説:谷川流/著、いとうのいぢ/イラスト

2005年で一番売れたライトノベル(少年〜青年向け小説)で、
----
涼宮ハルヒが宇宙人や未来人や超能力者や異世界人を探し出して一緒に遊ぶために設立した「SOS団(世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団)」を中心とした、非日常系学園ストーリー。物語は主人公である男子高校生、キョンの一人称で進行する。
----
という内容のものです。

ここでは「アニメ版」に関して。

まず、今回の人気・・・成功の要因は

「ネット・口コミ」

その点にクローズアップして詳細を列挙すると
・YouTube
・Blog
・mixiなどのコミュニティーサイト
が大きな役割を果たしています。

しかし、ここまでは普通の人でもわかるかもしれないところです。
ここからが自他共に認める「ヲタ」である、わたくしの出番――。


で、ここからが怒涛のごとく「ヲタ」ぶりを発揮してくれて、鋭く、そして詳細に渡って解説がなされている。すごく面白いのだが、マニアックすぎて割愛。(笑)

上記説明にあるインターネットが果たす役割や、人気の秘密ともなる細かい事象について、やっぱりもったいないので割愛部分を要約しながら、考察してみる。
(続く)


Marketing * 12:42 * comments(18) * trackbacks(2)

富裕層向け雑誌が売れる理由

富裕層向け(と思われる)雑誌が、売れている。

このところ、毎日のように書店に入る。そうすると、色々なことが見えてくる。

ちなみに、海外などに行った際に、その土地の文化や知識レベルや流行などを知るために、まずは本屋に行くといい。
並べられている書籍や雑誌から、市場が(少し)透けて見えくる。
わたしはこれを“本屋マーケティング”と呼んでいる。(笑)

目に留まったのは、「HIGH private」。
東京カレンダーのムックとして発売された雑誌。

もうひとつは最近気になっていた、「Real Design」。
発行元はライフスタイル提案系雑誌を多く手がけるエイ出版

雑誌は、ターゲットを区切ってニッチな市場で勝負するしかない。
そのときに必要なのは、その“市場”を先んじてヨムことだ。
とりわけ、これらの雑誌は今後の市場、『デフレ脱却』へ向けて先鞭をつけている。

安いだけの消費から、こだわりの消費へ。
やはり、こういったライフスタイルを提案する媒体は、一覧性、携帯性という点で雑誌に利がある。

ただ、これらの雑誌が売れている背景には、もう少しからくりがありそうだ。

富裕層向け(と思われる)雑誌の多くは、余暇を楽しむためだったり、ハイクオリティな生活への道しるべ的なことが、多く掲載されている。
キーワードは「衣・食・住」+「趣味(車、時計、旅)」×「時間(余暇)」。

これらは、(今までの)日本人が不得意なところだった。
日本総中流社会。
高度成長を遂げ、消費を抑えてきたバブル期を経て、景気の回復に向かいつつある、今。
セレブといった言葉が、解釈の幅を広げて使われるのも、生活環境やそれへの憧れがあるからだろう。

財閥や資産家といったような、昔の本物の金持ちが子供の頃からの生活環境の中で培ってきたものではなく、IT企業で長者となったような人に代表されるような、(言い方は悪いが)ポッと出の金持ちは、どういう生活スタイルが、セレブリティなのかを知らないまま、増えているのではないか。
(海外でブランド品を買い漁るOLなどと、品位的には変わらない…)

だからこそ、そこへのミチシルベ的な雑誌が売れているのかもしれない。




Marketing * 23:22 * comments(11) * trackbacks(0)

富士急ハイランドはPRがうまい

正確には富士急行株式会社は、プロモーションがうまい、だ。

今日オープンの新しいアトラクション『ええじゃないか』。
これまで富士急ハイランドは、超大型コースターを5年ごとに新設し、大型投資してきた。
今回の総工費およそ36億円。勿論、過去最高。

既に10年前となる'96年には「フジヤマ」、'01年には「ドドンパ」。
そのいずれもが30億円を超える投資で、かつネーミングもユニーク。
加えて、その度に何かの“世界一”でギネス認定を受け、話題となっている。

今回の“世界一”は回転数で、約2分間の乗車中に14回もの回転をする。
ちなみに、これまでの最高はイギリス・ソープパークの「コロッサス」で10回転だったらしい。


で、そのプロモーションにも余念がない。
多くの情報系雑誌ではその紹介がされているし、女性誌も同様、情報系のテレビ番組でも、軒並み紹介されている。
さらに、TX系「出没! アド街ック天国」の7月15日放映分でも「河口湖・富士急ハイランド」として、きっちりと売り込まれていた。

こういったプロモーション展開では、話題性という分かりやすいファクターが作用する。そのときに“世界一”というキーワードは説得力がある。

また、ウェブでの情報提供も怠りはない。
スペシャルサイトで提供されるブログパーツを右ペインに掲示してみたが、こういったコンシューマーの口コミにウェブ、とりわけブログを活用するために、ちょっとしたツールを使わせることによって、楽しさを増長させたり、紹介しやすい環境を作り出している。

CGによる、ちょっとしたエクスペリエンス、WEBRINGによるリンクの埋め込みなどに小さな工夫とウェブでの情報特性などを考慮した、楽しさに溢れている。

ウェブやブログを媒介にPRするための新しい取り組みや、口コミ喚起の導線などには、多くの企業も学ぶべきだろう。


富士急行株式会社
Fuji-Q ええじゃないか



Marketing * 23:54 * comments(19) * trackbacks(2)

ニンテンドーDSがPDAになる日

ニンテンドーDSに、インターネット・ブラウザとして「Opera」が採用される。

わたしは、かなり以前から、ポータブル・ネットワーク端末の最終覇権はゲーム機が握るんじゃないかと思っている。

何より、ボタンも含め、その優れた筐体に感嘆するし、誰でも直感的に扱えるという究極のUIを備えていて、大人も子供も、ましてや年配の人も不自由なく使える。

ここが、ケータイやスマートフォンに代表される今までの端末と、決定的に違う。
あの十字キーといくつかのボタンの組み合わせによる操作感は、親指ボタンやポータブルキーボードとは、比べ物にならない。

もう既に、Wi-Fiネットワークに接続できるわけで、ビジネスを含め、ほとんどの人がウェブの閲覧と電子メールにしかインターネットを利用しないことを考えると、早晩MUA(Mail User Agent:電子メールソフト)がニンテンドーDSに提供されると、状況は一変するのではないか。

ビジネスマンがニンテンドーDSを操作して、電車の中で電子メールを読んでいる姿を、そこかしこに見られる日は、そう遠くない気がする。

後は、公衆無線LANの配備だけなんだけどなぁ。。
あぁ、ライブドアが唯一、存在感を示せるプロジェクトだったのに、、誰か引き継いでやってくれないかなぁ…、残念。


ニンテンドーDS用のOperaブラウザ、7月24日に発売(CNET Japan)



Marketing * 11:02 * comments(17) * trackbacks(1)

短命化時代 〜勝者は倖田來未さん!?

5月29日号の日経ビジネスは「商品の寿命は3週間」という特集だった。

以前から言われているが、クルマはその端的な例で、日本ほどモデルチェンジを繰り返す国はない。(最近のドイツ車などは、そう言い切れないけれど)

確かに、米国などでは平気で10年以上もモデルチェンジを行わない車種がある。(車検の問題など別の見方もあるけれど)

消費行動における動機付けとして、「新しい」ということはひとつの大事なファクターだし、その側面は理解できるけれど、現代における商品サイクルは、良くも悪くも全ての人を疲弊させているように思う。

わたしは、あまりそういった世の中に馴染んでいない。
例えば、コンビニで新しい味のスナックや飲料に出会っても、あまり評価しようとは思わないし、多くの身の回りのものは、定番のものであることが多い。

特にシャンプーなどはその典型で、高校生の頃から「スーパーマイルド」しか使っていない。(笑)

ということは、もう15年以上同じものが売られ続けている、長寿商品の一つということだ。そういう点では、安心して長い間使い続けられる商品やサービスを、好む傾向が強い。(冒険しないというだけかもしれないが)


紙面ではそれとは無関係に、提供側は市場に合わせて「ショートセラー」で勝ち抜こうということで、その事例がいくつか紹介されている。

ここでふと題名のように、倖田來未さんを思い出した。

メディアの影響もあって、最もその興味変化が激しさを増したエンターテイメント界で、昔に比べて現代に勝ち得る信頼は、並大抵のことではない。

とっくの昔に「懐メロ」なんて言葉が不釣合いになるほど、'90年代の音楽は、ロングヒットということと無縁になり、小室哲也氏に代表される矢継ぎ早な展開によって、視聴者の移り気を支えてきた。

その最たる存在が「倖田來未」というカタチなのかもしれない。

12週連続で展開された新曲発表など、楽曲の寿命は3週間どころか、1週間で賞味期限を切られ、しかも自らがそれにかぶせるように幕を引く。

市場をコントロールするという意味において、このショートセラーは確かに有効だが、裏腹に“飽き”を促進してしまう点で諸刃になる。

しかし、ここに倖田來未さんの成功要因があったのかもしれない――。

彼女は楽曲以上に、その人間性(パーソナリティ)が受け入れられやすい素地を持っている。
「典型的な関西のおばちゃん」のように、あけっぴろげでおしゃべりが面白いということと、現在に至るまでの苦労秘話のようなものが、それに当たる。

この2面目が、“飽き”へのステロイド剤の役割を果たす。

メディアの影響力が強いショービズの世界では、“露出”こそが、ヒットの最大の要因になりえる。

そのためには、新しいトピックを多く作ることが重要になる。それが、12週連続リリースに繋がったのだろうが、実はプロデュースする側は、彼女の「2面目」こそが最大の売りであることを読みきっていたのではないだろうか。

つまり、露出した際に何かを持っていないと、それは「出損」になってしまい、次にもう一度呼ばれるチャンスを失う。ということは、逆に出たときに印象を植え付けられれば、これほど効果的なことはない。

だからこそ12週(1クールという特にテレビにとって都合が良い数字なのだが)に渡るトピックを創るという、奇抜なように見えて、実は非常に論理的な思考によって、仕組まれた形での露出だったのかもしれない。


そう考えると、ショートセラーには、やはり単純な短命商品の大量投下というだけではなく、「2面目」という深さを内在させ、それに付随する、ある論理的な思考による展開を行えなければ、結局は疲弊の元に、単純に使い捨てられる商品ばかり、、ということになりかねない。

例えばそれがブランドとして認識されるには、長い時間が必要になる。そのとき必要なのは、やはりアイコンとして認識されるべき商品なり、サービスだ。

ショートセラーによる短期的な売り上げだけではなく、長期的展望に沿ったロングセラー、もしくはそれ自体特徴的な“アイコン”を創造することを同時に考えなければ、会社そのものの寿命を縮める結果を招きかねない。


Marketing * 05:45 * comments(23) * trackbacks(1)

次世代ウォレットはケータイで決まりか?

4月にケータイを替えた。
(この場合のカエルは、どの漢字を使うのが適当なのだろうか。機種変更などでは、変えるを使うが、形状やその内容が変わるわけではないから、この文字は不適当な気がする)

で、ようやく1ヶ月になる。
変更後に一番興味があったのが、「iD」の利用だ。


電子マネーという言葉が誕生して、早、数年が経過している。昔は、WebmoneyやBitCashといったヴァーチャル・マネーが本流だったが、現在は、EdyやSuicaに代表されるような、リアル・マネーに完全に移行している。

勿論、セキュリティの観点から言うと、ヴァーチャル・マネーのほうが安全なのだが、インターネット周りから始まったこれらヴァーチャル・マネーは、インターネットを利用するユーザの爆発的な増加に、セキュリティへの意識の浸透が図られる前に、利便性へのニーズが始まってしまったために、思うような実績を上げられず、リアル・マネーに一掃されてしまった感がある。

そのとき、何より利便性を発揮するのが、「iD」だろうと思う。
現代における資本主義経済の最大の功績は、クレジット決済の発明、導入だろうと思う。会計でいうところの買い掛け、売り掛けってやつ。

このような便利なルールが個人で利用できない理由はない。
昔は、そんなに簡単にはいかなかったが、現在では、信用取引のリスクよりも、その利用拡大というビジネス的なチャンスのほうが断然大きいから、よっぽどのことがない限り、カードを作ることができる。

貸し倒れの心配より、個人消費のクレジット決済による拡大のほうに、各社というか、ほぼ全ての商圏が期待し、突き動かされている。

そして、それが一つのデバイスに集約していくことは、当たり前に起こる。

ヴァーチャル・マネーの黎明期から、このデバイス論はずっと言われていて、どのように、誰が覇権を取るのかが、大きな関心事だった。

しかし、今はほとんど誰も疑わないかのごとく、ケータイがその最右翼となった。そりゃぁ、経済参加者のほとんどの人間が、利用するようになってしまったのだから、しょうがないといえば、それまで。


さて、わたしのケータイには、元々「Edy」が利用できるようにiアプリが用意されていた(Sonyだから、当たり前か)。まずは、これを設定。といっても、クレジット・カードでEdy利用できるものを所持しているが、利用した試しはない。(笑) とはいえ、カードを所持していたために、設定は簡単に終了した。

次は、「iD」の設定。
しかし、これは結構大変。まずは、三井住友VISAカードの申請をし、それにiDの追加申請をし、その後ケータイの設定という面倒くささ。

幸い、三井住友の口座を所持していたから、キャッシュ・カードにクレジット機能を追加した、新しいカードの申請〜iDの追加申請ということで、ある程度敷居が低かったが、それでも約3週間くらいの時間を要した。

本当は、加えて「モバイルSuica」機能を付けてみたかったのだが、これまた結構大変で、こちらもSuica対応のクレジット・カードを所持していないとならない。いったいケータイで決済するために、何枚のカードを新規で作らないといけないのかと、その本末転倒な感じに腹立ちも憶える…。

こちらもみずほ銀行の口座を所持しているから、三井住友と同じようにすればいいのだろうが、サイトを見る限り、三井住友よりかなり面倒そうだ。だからかもしれないが、ビックカメラSuicaカードが大変な人気らしい。

ケータイで電車に乗りたいがために、ビックカメラSuicaカードを作るのは、いかがかと思う。

それと、クレジット機能は使えないことがあっても、対して問題になることはないだろうが、電車の切符としての機能はそういうわけにいかない。というのも、充電されていないケータイでは、これらの機能は使えないのだ。

これを聞いて、少し戸惑った。絶対的に利用できない状況に、回避方法がないデバイス、もしくはそのための方法というのは、セキュリティ・リスクより、タチが悪い。充電されていない状況で利用できないというのは、致命的なことではないだろうか…。

というわけで、こちらは様子を見ることに。


とはいえ、これでクレジット決済を経験してみると、次世代ウォレットとしての「おさいふケータイ」が、“決まり”な予感もするのだが……。


PS.
おさいふケータイって、素晴らしいネーミングだよなぁとつくづく思う。
今まで使われてきた、○○ウォレットとかが、使われない理由も分かる気がする。



Marketing * 00:39 * comments(16) * trackbacks(1)

TVが情報連鎖を生まなくなる理由

以前の同僚(部下という言葉があまり好きじゃないので、同僚とする)が、2ヶ月間に渡って、まったくテレビを見ていないのだそうだ。

本人は“実験”と称していたが、我慢という名の自己戒律のような感覚ではなくて、自然とその情報から遠ざかって久しい、というようなものだという。2ヶ月ということになると、これはもう実験の域を超えて、ほぼ習慣化していると言ってもいい期間だ。

そのとき、わたしの質問に彼女は予想通りの答えを返してくれた。
「だからって、インターネットで情報を得ていたりはしないんだよねー、不思議と」

最近よく見るアンケートに、「メディア接触時間の変化」みたいなものがある。が、コレも結構誘導された質問によって、答えが導き出されている。というか、アンケートなんてものは、基本的に答えて欲しい最終形をイメージして、質問を考えるものなのだから、当たり前といえば、そうなのだが。

で、よく言われるのはテレビに向かっていた時間が、インターネットに振り向けらているということだけれど、実はそんなことはないんだろうな、と感じていたから、ある人に限っては、当てはまっているケースがあるということを実証した。

その時間が、自動的にウェブに振り向けられていないとは言っても、テレビを見ない人が増えているのは、確かだ。その理由は何故か。

一つには、情報のエンターテイメント性の履き違えによる、低俗化というのがある。これは、先の堀江氏の保釈報道を見れば、異論のある人はいないだろう。

もう一つは、人の行動時間の多様性を受けて、必要な人に必要な情報を提供できなくなってきている、ということがあるだろう。ある種、マスコミの限界と言ってもいいかもしれない。

VTR、DVRの普及率で考えると、テレビを所有する人のほぼ100%の割合で所有していると考えてもいいと思う。これは何を意味するかというと、ブロードキャストの崩壊だ。

時間の多様性を進化させ続ける消費者は、このような録画機を利用したオンデマンドにて、テレビ放送を捉え利用している。

情報連鎖という点に限って言えば、この“時間共有”されていない感覚は、リアルタイム性がほぼ決裂している状況だから、誰かと情報を共有しずらいために、その話題には触れづらくなっているのだ。

「昨日のあの番組見た?」

この言葉、話題の減少が全てな気がする。

一過性、リアルタイム性が希少性を生み出してきたテレビ媒体の情報。しかし、情報の連鎖によって、人々の食指が動くような情報過多時代においては、アーカイブ性や共有による支持があることが望ましい。

とはいえ、テレビはやはりその時間帯において同時共有者を増やすより、その生きる路はないのだが、その方法が、下世話なエンターテイメント性による“やじ馬”増やしであるならば、もう先は見えているだろう。

媒体の特性(良い部分)はそのままに、瞬時の共有者を増やす方法(視聴率)と同時に、より長い時間、情報連鎖によって、持続する共有者を増やす方法(浸透率)を考えるのも必要ではないだろうか。


Marketing * 01:36 * comments(14) * trackbacks(0)

食玩に群がるオトナたち 〜絶版名車コレクション

食玩(しょくがん)と言われる、“コンビニ時代”のヒット商品がある。
ひところは、オトナがその対象となって、ムーブメントがおきた。「オトナ買い」という言葉が、それを象徴している。オトナ買いとは、こういった小さな単位の商品を、ロット単位などお金に物を言わせて買いあさること。

「コンプリート」という言葉も、この食玩ブームで生まれた言葉だろう。ある商品のラインナップを全て揃えることを言うが、今では、「オトナ買い」も「コンプリート」も、違う意味でも使われることを考えると、定着した感がある。

火付け役は、UHA味覚糖の『チョコラザウルス』。海洋堂という造型のブランドまで育てた(生んだのはチョコエッグかな?)と言っても過言ではない。その後、その精緻な造型は、ファンを魅了し続けている。


現在の若者は、なかなかお金を使わない。特に可処分所得の分配という意味では、コンビニの商品群(中でも娯楽)は、ケータイという巨大な敵と戦わなくてはならなくなっている。

そう考えると、現在ではM2層が、最大限お金を落としてくれそうなターゲットとなるだろう。
しかも、コンビニという場所では、絶大に。

特に、この世代でも晩婚化は進んでいる。バブルを乗り越え、非常に忙しい時期を過ごしてきたこの世代は、中々将来に対して希望を見出せず、未だ結婚をしていないか、もしくは一度結婚したものの、離婚を経験している人も世代割合としては多い気がする。

という環境も手伝って、この世代でコンビニに行く回数は、あるアンケートなどによると、女性よりも圧倒的に男性が多く、週に5回平均で通うというデータすらあるらしい。

そりゃぁ、格好のターゲットだ。

商品戦略上も、このようなオトナをターゲットとしている食玩が多数存在し、購買意欲を掻き立てる。キーワードは、「郷愁」と「良質」。

'70年代、'80年代という古きよき時代に対するオマージュを、ミニチュアながら、いい仕事してますね、という質の高い玩具にしていること。

わたしもご他聞にもれず、この罠に引っかかる口だ。中でも、恐竜とクルマには目がない。(笑)


で、先日買ったのは、KONAMIが展開する『絶版名車コレクション』。
今までにVol.7までのシリーズがあり、今回はその中でのベスト・セレクションを12個集めている。

1/64スケールながら、非常に質の高いミニチュア・カーが入っている。
いすゞべレット1600GTR / 日産シルビア / 日産ブルーバード / スバル360DELUXE
日産フェアレディ240ZG / ホンダZGS / マツダサバンナRX-7 / トヨタ2000GT
ホンダN360 / マツダコスモAP / 日産スカイラインGT-R / 日野コンテッサ1300クーペ


一時の食玩ブームは去った感があるが、コンビニが情報発信の拠点、ムーブメントの仕掛け装置として存在することは、この先も少しの間有効な気がする。

加えて必要なのは、いかにM1、F1層に新しいトラップを仕掛けていくか。
まだまだコンビニで陳列される商品には、革新が生まれていくのだろう。


KONAMI 絶版名車コレクション



Marketing * 22:15 * comments(17) * trackbacks(0)

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