<< September 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

SONGS 吉川晃司<プレ

明日、7月22日放送の「SONGS」は、吉川晃司さんの特集です。
是非見てください。


2009年7月22日(水) 23:00〜23:29 NHK総合
「SONGS」第99回 吉川晃司

SONGSサイトはこちら


P.S
99回目のゲストって格好いい。(笑)
告知のみ。

Review * 16:03 * comments(45) * trackbacks(0)

『あの頃熱くなった!80年代ハリウッド映画ベスト20』

SmaSTATION!! 5月30日放映
木村拓哉さんをゲストに「あの頃熱くなった!80年代ハリウッド映画」ベスト20を発表していた。

最近、80年代に味をしめたな、スマステ。
第二次ベビーブーマー直撃企画か。(苦笑)

番組内では、木村拓哉さんがランキング発表ごとにコメントしていて、「詳しい」ってことを香取くんはしきりに言っていたけれど、わたしもほとんどこの辺のコメントは言えるよ。というか、彼と同じ年代の人なら、大抵このくらいのコメントは言えるんじゃないかなぁ。

だって、学生時代の娯楽の最も身近なものだったし、ハリウッド映画は元気だったし、アメリカってものが憧れの存在だっだし、そういうものを食らいついて見ていた世代だと思う。

だいたい、わたしはランキングに入っている映画は全部観てるし、そのほとんどは複数回(数十回)観ている。(笑) そういう意味では『あの頃熱くなった!』というコピーに当てはまっちゃってる。

1位バック・トゥ・ザ・フューチャー / 1985年
2位ロッキー3 / 1982年
3位トップ・ガン / 1986年
4位スタンド・バイ・ミー / 1987年
5位インディ・ジョーンズ / 1981年
6位ターミネーター / 1985年
7位フラッシュダンス / 1983年
8位プラトーン / 1987年
9位ダイ・ハード / 1989年
10位愛と青春の旅だち / 1982年
11位グーニーズ / 1985年
12位ビバリーヒルズ・コップ / 1985年
13位グレムリン / 1984年
14位リーサル・ウェポン / 1987年
15位キャノンボール2 / 1983年
16位ランボー / 1982年
17位ロボコップ / 1988年
18位メジャーリーグ / 1989年
19位ゴーストバスターズ / 1984年
20位フットルース / 1984年

でも、なぜ「E.T.」や「スター・ウォーズ シリーズ」(第1作[スター・ウォーズ〜新たなる希望]は77年だけれど)なんかが、入らなかったのだろう。。


Review * 14:40 * comments(57) * trackbacks(0)

ゴルフクラブのグリップ交換

中古で購入して、そのままになっていたグリップ(純正)。
たしか3年は経っているはず。中古だから、前所有者から考えるともっとか。

古いクラブだし、細かいことを気にするほどプレーが上手いわけじゃないし、自分でグリップ交換をしてみることに。アイアン10本まとめて。

今回新しくするグリップに選んだのは、GolfPrideのツアーベルベット。
PGAツアー使用率No.1! という名品。
でも、↓ここ、かなり安い。
GolfPride ゴルフプライド ツアーベルベット ラバー

最初に言っておくと、初心者には結構大変な作業だった。
慣れてくれば、すんなりいくようになるものの、わたしは3本くらい交換したところでブン投げそうになった。(笑)
汗だく、手にマメまで作って、満身創痍ぎみ。(ぷ
なんせ、交換用グリップが入っていかない。

失敗の原因は、
1. もたもたしている
2. 溶剤のせいで、ゴムのグリップを挿入する際に滑る
3. 力の入れ方が分からず、グリップが入っていかない

という感じで、かなり力を入れて押し込んでいくのだが、要領が分からずもたもたしていて、幅の広いシャフトエンドを幅の狭いグリップ入口に入れなくてはいけないのだけれど、ゴムが滑って何度もやり直し、あげく溶剤が乾いてくるし、、という悪循環。

解決方法は、軍手をはめてやったこと。これが功を奏し、後半は慣れてきたこともあって、するすると入っていくようになった。

というわけで、ウェブなどでは「簡単にできます!」と紹介されているものの、初めてやる人は、ちょっとした覚悟はあったほうがいいと思う。

さて、手順。
使う道具は、交換用グリップ、グリップ交換用溶剤、両面テープ、カッター、油性ペン。両面テープは交換する本数にもよるが、最低10m程度はあったほうがいいかも。あと、軍手。w
grip01

グリップはこんなにボロボロ。(涙)
grip02

まずは、初めてなので、グリップを交換した際に、センター位置が分からなくなると困ると思い、油性ペンでセンター位置を書いておいた。

古いグリップを裂いて外していく。
シャフトに巻いてある、古い両面テープも外す。
その後にシャフトをきれいに拭いておく。(脱脂クリーナーみたいなものがあるといい)
grip03

両面テープを巻く。最近はらせん巻きが主流らしいが、今回は両面テープが足りなさそうだったのと、古いテープがそうしていたので、「たて巻き」を選択。
grip04

溶剤をシャフトと交換用グリップにかける。
交換用グリップの底穴を押さえて、溶剤を吹き込み、軽く振り溶剤を行き渡らせる。

交換用グリップをシャフトに差し込んでいく。
そこから一気にシャフトエンドまで力を込めて、ズブリと押し込む。
書いておいたセンター位置に合わせて、グリップを調整。


で! 10本全部、交換完了!
grip05


結局、失敗も含めて、両面テープ(5m)は足りなくなり、買い足すことに。
それと、最初のうち何本かは溶剤が乾き始めてしまい、かなり無理やりグリグリとグリップを入れたために、中のテープがねじれたりして、グリップに軽く凹凸ができてしまったり…。


初心者のための心得
1. 初心者は細かいことをあまり気にしないで行うこと
2. 溶剤はケチらないで使い、素早く作業を行うこと(その際、ゴムグリップの滑り止め対策も)
3. 使用頻度の少ないクラブ(例えば3I等)から行うこと

がかなり重要かも。


それでも、自分でメンテナンスすることは楽しいし、達成感もあるし、何より道具に愛着が出てくるって意味では、とーっても素晴らしいと思うので、是非ご自身でやられることをお薦めします。

参考ウェブサイト:http://www.arigaen.co.jp/hi-grip-syuri.htm

Review * 15:20 * comments(66) * trackbacks(0)

TVCM 〜Friend-Ship Project 第5弾 夫婦の絆

3月18日から、「Friend-Ship Project」の第5弾CMが放映されている。
大好きだった第3弾のときと同じ「夫婦の絆」篇。

第3弾のときのエントリーはこちら。【TVCM 〜Friend-Ship Project 第3弾 夫婦の絆

今回は、ナビタイムジャパン×プラチナ・ギルド・インターナショナル×読売新聞の3社の提供。
(通常90″バージョン。↓は4′のロングバージョン)




前回に比べて、今回の夫婦はのんびりと円満な家庭を築いてきた感じが伺える。
春という設定もその空気感の醸成に一役かっているようだ。

夫役の平泉成さん、妻役の岸本加世子さんによる“やさしいやりとり”が色づく花のよう(画面に映る桜と相まって)に、なんだかほっとする距離感を醸し出している。

使われている曲は、ザ・フォーク・クルセダーズの「あの素晴しい愛をもう一度」。
本来は喪失感の高い曲なのだけれど、詩の断片からは“あふれる愛”がストレートに表現されていて、曲調の優しさゆえに選ばれたのかもしれない。

  あの時同じ花を見て美しいと言った二人
    あの素晴らしい愛をもう一度


Friend-Ship Project 第5弾 夫婦の絆


Review * 17:31 * comments(31) * trackbacks(0)

[BOOK]なぜ君は絶望と闘えたのか

この2008年12月1日から、裁判制度が変わった。
『被害者参加制度』がそれだ。

この制度発足に大きな影響を与えたのが、本著の題材である「光市母子殺害事件」である。
本著のことを知ったのは、週間ダイヤモンドで連載されている櫻井よしこさんのコラムだった。

普段、ほとんどの事件を“他人事”のようにしか思っていず、興味なく、ただ右から左へ流れてしまっているのだが、この事件については非常に印象に刻まれていた。
その理由が、本件で被害者となる本村氏の存在である。

わたしより若いこの青年のなんと毅然としていることか。
無数のカメラ、フラッシュ、そして記者やレポーターの好奇の目が注がれる多くの報道陣を前に、あんなに毅然と一語一語正確な言葉を用い、論理的説得力を持って自分の心情を語れるものだろうか。
その姿に感嘆し、自分と重ね合わせて比較することで、その心象を強くしたからだ。

彼の言葉の裏には、「どれほどの怒りがあるのだろう」そういうことに大きな関心を持っていた。
だから、櫻井さんのコラムで見つけた本著は、いつか読みたいと思っていた。


本著を読んで最初に驚くのは、メディアで見かけた彼の姿が、最初からそこにあったわけではないことだ。
苦悩し、自殺を考え、何もできなかった自分に罪悪感だけが支配している青年。
その姿はメディアから伝わる彼からは、想像がつかないものだった。
しかし、考えてみれば当たり前のことなのかもしれない。
事件発生当時、彼は23歳で、まだ社会のことも分からないことだらけの社会人二年生だったのだから。

そしてまた、そうした若者が経験するには、あまりにも残忍で、凄惨な光景が最初の数頁で描写されるにあたり、絶句するだけに留まらない悲惨さが、突き刺さってくる。

えも言われぬその情景は、読者たる他人として想像するのですら、おぞましいものだ。
しかも、自身の家族構成などと符合しようものなら、今日家に帰ってこんな状況が待っているのではないだろうかと、不安で堪らなくなるほどの恐怖を覚える。


本著では、裁判の経過を軸にして、本村氏の心情を丹念に拾い上げており、彼の活動の記録、彼の成長とそれを支えてくれた周りの人々を克明に描くことで、犯罪被害者がどのような苦しみや悲しみを背負い、またそうした過程から何を考え、どう立ち上がっていくのかを伝えてくれる。

と同時に、先に示したように、この事件によって“より”浮き彫りにされた司法の矛盾や今までの問題点、またいわゆる少年法に保護された加害者とそれと対比関係にあるように蔑まされた被害者の境遇、そして『死刑』のあり方についても、「本村氏が感じた」という客観性で問題提起されていく。

筆者は中立的とは言えないまでも、あくまでも筆者が思うところを主観的に記すのではなく、本村氏が感じる主観を、物書きとして客観的に伝えることで、より深い真理を読者に考えさせる。


しかし、そこには本村氏の信条に揺らぎがなく、また支えられてきた周りの大人との絆や関係によって、怒りや恨みだけではなく、到達する思いがあったことを教えてくれる。

中でも、辞表を手に上司に赴いた本村氏に
「この職場で働くのが嫌なのであれば、辞めてもいい。君は特別な経験をした。社会に対して訴えたいこともあるだろう。でも、君は社会人として発言していってくれ。労働も納税もしない人間が社会に訴えても、それはただの負け犬の遠吠えだ。君は、社会人たりなさい」


アマゾンの書評でも目にするが、わたしも同じように彼の上司のこの温かい言葉に感動した。
社会人としての責任と自立とは何なのか、を改めて考えさせられるものだった。


このような周囲の支えは、23歳で何も分からなかった彼を、メディアの前で毅然と振る舞い、世間に自身の考えを訴え、そうして世論を司法を突き動かし、法改正まで至らしめる青年へと成長させてくれた。

その代償がふたりの家族の命だとしたら、それは余りに大きすぎるし、むしろそのような成長より、妻と娘の命を返して欲しいに違いない。

けれど、少なくとも「何もできなかった自分」から、今の本村氏へと成長した姿を家族のふたりが見守ってくれているだろうし、誇りに思っていることと思う。

「パパ、ありがとう」と。


多くの人に読んで欲しい一冊だ。

光市母子殺害事件 - Wikipedia



なぜ君は絶望と闘えたのか
門田 隆将
新潮社
売り上げランキング: 277
おすすめ度の平均: 5.0



Review * 17:30 * comments(44) * trackbacks(0)

[BOOK]鈴木亜久里の挫折 ―F1チーム破綻の真実

2008年のF1グランプリも昨年以上にドラマティックな展開で幕を閉じた――。

壮絶なクライマックスだった。
最終コーナーまで息が抜けないレースに、観ている側もボルテージが上がる。
結果、“最年少”というコピーを付録し、新チャンピオンが誕生した。

けれど最後まで、どこかやりきれなさの残るシーズンだった。
その理由は、スーパーアグリF1チームがシーズン途中から走らなくなったからだ。


常に運営資金の不足に悩まされていることは、報道されていた。
F1で戦っていくには、莫大な金が必要だが、その手当もないままに世界を転戦していた。
しかしその中で、彼らがその困難にどのように立ち向かっていったのか。
そして、『金』だけじゃない何がそのモティベーションを支えていたのか。

本著では、そうしたF1チームの内情を丁寧に記している。


中でも印象的なのは、表紙に写る鈴木亜久里氏の白髪頭。
そうなる過程での苦労と苦悩が、本著からはにじみ出るように伝わる。

ふたつ目は、日本におけるモータースポーツの認知とスポンサードの関係。
言わずもがなだから、詳細はやめておこう。
まぁ、F1の活動費がべらぼうに高すぎることは、障壁ではあるのだが。

みっつ目は、ホンダの支援。
正直、ここまでの支援をホンダがしていて、首脳陣がどのように考えていたのかは、知る由もなかった。誤解していた部分も多かった。


金に群がる烏合はどこにでもいるが、F1のような巨額が動く世界では、より巧妙な手口ですり寄ってくる奴らが多いことは、言うまでもないだろう。

本著で語られる鈴木亜久里氏の言葉は、どこまでも正直だ。
彼が本音の人だというのは、これまでメディアで見てきた印象に違いがない。
しかし、少年が無邪気に夢を追いかけるかのごとく、その正直さは時に脆くさえ見えてしまう。

それでも、それに呼応するようにこのプロジェクトに関わっている人すべてが、正直であり真摯であり、ひたむきだ。
そうすることこそが、『マネー・モンスター』に唯一絶対に対抗できる防御手段であり、攻撃手段であるかのように…。


人、物、金、時間。
事をなすときに重要な要素全てが、最小という重すぎる制約の中、チームは2006年の開幕戦に2台のマシンを準備し、グリッドに並べた。
世界が驚愕した瞬間だった。

弱小チームにあって、そういう熱い想いと真正直さ、ひたむきに努力し続ける姿勢があったからこそ、世界のメディアに好感を持って伝えられ、関係者にも観ている者にも愛されたのだろう。



日本人にとって、またしてもF1は遠い存在になってしまった。
鈴木亜久里氏と同じように行動できる日本人は、当分現れないだろうから。

Super Aguri F1 Team Official Website


鈴木亜久里の挫折―F1チーム破綻の真実
赤井 邦彦
文藝春秋
売り上げランキング: 638


Review * 18:52 * comments(53) * trackbacks(0)

「崖の上のポニョ」

東宝配給「崖の上のポニョ」、興行収入100億円突破(from NIKKEI NET)

巷ではいろいろと言われている「崖の上のポニョ」。
“あの”宮崎駿監督の作品なのだから、何をやっても賛否はある。
それはもうしょうがない。

だけれど、ヒットするという事実がある。

インターネットが普及して、口コミの伝搬速度が速まったし、それ以上に手軽に寸評が得られるようになった。
すごく便利だし、ハズレをつかむ頻度は格段に減ることになった。

けれど、それは文字の情報ってだけだ。(画像や映像もあるだろ! って反論はなし)
これは危険で、何でも「〜した気」になってしまう。
映画なら、観た気になるってこと。

でもそれは、体感することとは根本的に別だ。
つまらなそう。とか、流行らなそう。とか、そんなことは簡単に言える。
でも、この結果を見て安心したのは、やっぱり作品にパワーがあれば、観に行くんだなってこと。


この映画を観て、わたしは任天堂の「Wii」に似ていると感じた。
行き過ぎた世情に対するひとつのアンチテーゼ。
同時に「子供の持っている純粋な遊び心」への刺激。
今回のはイケてないんじゃない? って事前の反応も。


ポニョの持つ荒唐無稽さは、リアルを追及する今に断然似つかわしくない――。
いや、リアルを追及してきた宮崎駿監督の作品の最新作としては、どうなの?
と皆が言いたいだけの気がする。

壮大な夢、ロマン、飛行、自然との共生、生きる根源。
こうしたテーマが、今までの宮崎監督作品には色濃く反映されていた。
でも今回は、そのほとんどがない。

世界を水浸しにする破天荒さを見せて、宗介に会いに来るポニョ。
そりゃぁ、世の中への迷惑考えろっていうのは分かる。
けど、子供の理不尽さなんて、そんなものだ。周りのことなんか関係ない。
「こうしたい!」と思えば、自分の本心に従うだけなのが子供。

そうして、今後嵐の夜があったなら、
「ポニョが宗介に会いに来ているのかもね」って話して聞かせる寓話の世界になる。


『生まれてきてよかった。』
というコピーに表わされているように、ポニョは幸せを感じたんだ。
そうした一途な思いに幸せを感じる。子供の世界ってシンプルなんだ。


子供に観せて、世界観を楽しめる映画っていうジャンル。
それは「となりのトトロ」にあるものと似ている。
10年後にも子供に愛されている映画ってことでいいんじゃないかな。
絵本を読むのと同じ感じで。


大人の批評では分からないこともたくさんある。


P.S
なんてことを今頃。実は観たのは7月。公開直後。(笑)

Review * 23:15 * comments(68) * trackbacks(0)

[BOOK]震度0

まったく何をやっているんだろうか?

今の政局を見ていると、そんなことをつぶやきたくもなる。
あなたたちの行動一つ一つが、私たちの税金でまかなわれているというのに。
結局大事なのは、自分が代議士であり続けることだけなのだろう。
そうして、その周りにはびこる“利権”にのみ、関心がおありなのだろう――。


これと同じ構図が、そこかしこの組織に寄生している。

テレビ画面の中では、阪神大震災という未曾有の災害が発生し、地獄絵図の様相を呈している。
しかし、そこから遠く離れたN県警では、その悲惨さでさえも全く届かない。

それは、同時に起こった事件「不破警務課長の失踪」に端を発して繰り広げられる、人間の欲望が蠢く、警察組織の暗澹たる現状であり、玄室と呼べなくもない、光の見えない組織の窮状ゆえ。

まったく何をやっているんだろうか?

腹を探りあい、キャリアと叩き上げは対立し、情報戦により主導権争いを展開し、陽動作戦の据えに、結束と裏切りの狭間で、頭にあるのはポストだけ。


さすがに横山氏だけあって、その仕掛けは巧妙だ。
いくつかの事件が同時に起こっているにも関わらず、まったく現場が描写されないままに進む。
紛れもなく「事件は会議室で起こってる」。

大震災の震度7と対比された『震度0』。
登場する警察幹部各々は、いづれにも神経をなじられる要因を抱え、それらがじわじわと心の闇をつつき始めることで、耐え切れなくなった個人の思惑が面白いように露出されてくる。
人間の本質とは、こうしたことで炙り出されるのだ。

しかし、暴かれてみれば、何もかもが空虚。
何よりも守りたいと思っていたものこそ、打算の成れの果てであり、ほとんど価値のないものだと気がつかされる。

一番大事なことは何だったのか?

それは誰も疑いようのないこと、唯一つ。
しかし、その渦中でそれに気がつける者は、誰一人いなかった。

激震に見舞われたと思っていたのは、欲望や野心という殻にまとわり付かれた自分だけ。
周りは静かに佇み、揺れてなどいなかったのだ。ただ阪神・淡路を除いては。


震度0 (朝日文庫 よ 15-1) (朝日文庫 よ 15-1)
横山 秀夫
朝日新聞出版
売り上げランキング: 1226
おすすめ度の平均: 3.5


P.S
自分の組織を頭の片隅において読むと面白いのでは? 特に大企業にお勤めの人は。(笑)


Review * 15:02 * comments(13) * trackbacks(0)

[BOOK]やっぱり滝川クリステルは斜め45度がいいのだ!

ここ最近、とかくややこしい事態を引き起こすのが好きな人がいるお陰で、とても疲れる。
ましてや、働く環境やリズムを変えなくてはいけなかったりで、ブログのエントリーも軽いものに逃げがち。(笑)


本著は、元日テレの小倉アナウンサーが、テレビの演出手法を通して舞台裏を紹介すると共に、そうした意図された情報を、視聴者たる私たちがどのように受け取るべきかを指南する。

けれど、分かりやすく解説されてはいるものの、内容が乏しくていただけない。

確かに題名のアイキャッチはさすがだし、興味をそそる。
しかし残念ながらそれ以上でも、それ以下でもない。


どうして「滝川クリステル」は斜め45度に座っているの?

誰もがその登場時、疑問を持つことになった。慣習とは違う、でも“静かな”型破り。

実は、わたしは自分の中で答えを持っていた。
そして実にその通りの内容で、本著の導入部で解説がなされた。


本著に興味を持たれた方は、上記の回答を自分で考えてみていただきたい。
そうしてその答え合わせのために、25ページまでを立ち読みすれば、終わりだ。

滝川クリステルさんはお綺麗な方だが、題名に名前があるだけで騙されてはいけない。(笑)


ウェブサイトでの動画解説は面白いです。
やっぱり滝川クリステルは斜め45度がいいのだ!





Review * 17:37 * comments(70) * trackbacks(0)

ミュージカル 「SEMPO」

SEMPO4月10日 雨の新国立劇場に赴く。
ミュージカルは、もう20年近く観ていない。

日本のシンドラーと言われた
杉原千畝(ちうね)氏の物語。
失礼ながら何の知識もなかった。
背景も勉強していかなかった。
そもそも、杉原千畝さんを知らなかった。

吉川晃司氏(ミュージカル初主演)がいなければ、20年ぶりにミュージカルを観ることもなかっただろうし、このタイミングで杉原千畝さんを知ることもなかったかもしれない。

わたしはタイミングに恵まれている。


祖国に背き、体制に逆らい、自身や家族の危険をおしてなお、『人として』最も大事なことは何か? 
そうした自身の念に従い、行動した千畝氏。

戦時下の混乱期、ましてや帝国主義における日本の状況下、こうした勇気ある行動が本当に取れるだろうか。

劇中にも一部が披露されるが、杉原氏自身がその決断にいたる経緯を述べる言葉に、並々ならない決意によって断行したことが伺える。

「最初の回訓を受理した日は、一晩中私は考えた。考えつくした。
 回訓を、文字通り民衆に伝えれば、そしてその通り実行すれば、
 私は本省に対して従順であるとして、ほめられこそすれ、と考えた。
 仮に当事者が私でなく、他の誰かであったとすれば、
 恐らく百人が百人、東京の回訓通り、ビザ拒否の道を選んだだろう。
 それは、何よりも、文官服務規程方、何条かの違反に対する昇進停止、
 乃至、馘首が恐ろしいからである。
 私も、何をかくそう、回訓を受けた日、一晩中考えた。
 ・・・果たして、浅慮、無責任、我無者らの職業軍人グループの、
 対ナチス協調に迎合することによって、全世界に隠然たる勢力を擁する、
 ユダヤ民族から永遠の恨みを買ってまで、旅行書類の不備、
 公安配慮云々を盾にとって、ビザを拒否してもかまわないが、
 それが果たして、国益に叶うことだというのか。
 苦慮、煩悶の揚句、私はついに、人道、博愛精神第一という結論を得た。
 そして私は、何も恐るることなく、職を賭して忠実にこれを実行し了えたと、
 今も確信している」



日本人が知っておくべき物語を、日本発のミュージカルとして行うことの意義は大きい。
しかも本講演では、こうした重いテーマを扱いながら、観るものに格別の押し付けを行うのではなく、「すぅっと心の中にその情景が入り込んでくる」質のよいエンターテイメントとして仕上げられている。

ミュージカル初主演となる吉川氏も、その存在感を存分に見せ付けている。
もともと歌唱力はずば抜けているものの、ミュージカル独特の発声などに対応できるものかどうか、素人ながらに猜疑心もあるにはあった。

しかし、彼の伸びのあるビブラートされた声が、会場に響き渡ると、その声量も相まって、場内の空気とシンクロするように、心が揺さぶられるように震えるのが分かる。

彼のファンは、新しい吉川像が見られること請け合いだし、彼を知らないミュージカルのファンなら、ちょっとした驚きとその存在感に、次への期待が膨らむのではないか。

感動は約束できる。

杉原千畝氏の功績を知ることができたこと、素晴らしい作品に出会えたことに感謝したい。


P.S
劇団四季ってミュージカルだったな。ってことは、20年ぶりってことはないな。(笑)
「ライオンキング」観たのっていつだったかなぁ…。


Review * 17:49 * comments(51) * trackbacks(0)

このページの先頭へ